副甲状腺疾患・骨粗鬆症
副甲状腺疾患・骨粗鬆症
副甲状腺は甲状腺の背部および食道の前方に左右上下に1個ずつ計4個存在する米粒上の臓器になります.副甲状腺の主細胞で副甲状腺ホルモン(PTH)が産生・分泌されています.
このPTHは、骨吸収を促進して血液中のカルシウム(Ca)を上げ、腎臓への作用の結果血液中のリン(P)の濃度を低下させます.この作用が必要以上に増強してしまう病態、低下してしまう病態があります.前者を副甲状腺機能亢進症、後者を副甲状腺機能低下症と言い、それぞれのカテゴリーの中に種類が複数存在します.何れもCaやPの代謝に影響し、骨粗鬆症等の骨代謝に影響してしまいます.
骨は破骨細胞による骨吸収(古い骨を壊していくイメージ)と骨芽細胞による骨形成(新しい骨を作っていくイメージ)によって、日々リニューアルされていきます.通常は両者のバランスが保たれていますので、骨が極端に強くなったり弱くなったりはしません.しかし何らかの理由によりそのバランスが崩れ、骨の強度が低下して骨折しやすくなってしまう病態があり、それが骨粗鬆症です.
閉経後の女性に多くみられ、男女比は3:10程度であり、高齢になるほどリスクは上がります.女性ホルモンが関連するため閉経後に頻度が上がります.エストロゲンというホルモンが低下することで骨吸収が進みやすくなり、骨形成より優位になってしまうことから、骨量が減少してしまうのです.実は男性も無関係ではなく、男性ホルモンも骨吸収を抑える作用があるのですが、加齢と共にホルモン分泌および作用が低下すると骨吸収の抑制ができなくなります.また男性ホルモンは骨形成を促進する作用があるため、この作用が低下すると骨形成が低下し、骨の脆弱化が進み骨粗鬆症になってしまいます.
そして上記にあるような副甲状腺機能異常(亢進症)による骨粗鬆症や、甲状腺機能異常、ステロイドホルモンの異常やステロイドホルモン製剤投与の影響で骨密度低下・骨粗鬆症を来すことがあります.
骨粗鬆症の治療薬は数多くあり、骨粗鬆症のタイプによって選択が変わってきます.もちろん他の疾患に続発して起こる骨粗鬆症の場合は、原疾患の治療が優先されます.例えば原発性副甲状腺機能亢進症による骨粗鬆症の場合、まずは骨粗鬆症に対する薬剤を注ぎ込むのではなく、原疾患の原発性副甲状腺機能亢進症に対する治療(手術やCa受容体に作用する薬剤内服)を行います.
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まだ記載途中の記事にはなりますが、今後知見をアップデートしながら加筆改訂して参ります.
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