高尿酸血症
高尿酸血症
私達の体を構成する細胞にはDNA、RNAという2種類の核酸という物質が含まれています.核酸にはプリン塩基とピリミジン塩基という2種類の塩基が含まれています.プリン塩基が代謝されてできたものが尿酸です.人間は尿酸を代謝・分解する酵素が存在しないため、体内で産生された尿酸はそのまま排泄する必要があります.
尿酸の6割〜7割は尿中に排泄され、残りは消化管に排泄されます.前者の尿中排泄については、腎臓での血液濾過および尿生成の所で排泄され、後者は消化管内の細菌で分解されます.
体内で1日に産生される尿酸量は0.7gとされます.一方で尿中排泄は0.5g程度、消化管排泄は0.2g程度とされ、通常は産生される量と排泄される量はバランスが取れています.
しかし腎機能が低下した状態では排泄能力が低下し、(通常、尿酸は1.2g程度体内に蓄積されています)体内に蓄積される尿酸が増加し、高尿酸血症を来すことがあります.また冒頭で述べたようなプリン体の代謝が多くなると、排泄が追いつかずに体内の尿酸が増えて高尿酸血症をもたらすことになります.
このように、尿酸の産生や排泄のバランスが崩れ、体内の尿酸量が増えてしまう病態が高尿酸血症です.この病態が続くと針状の尿酸血症が体内組織に沈着することがあり、急性関節炎(いわゆる痛風発作)、皮下結節、尿路結石等の病態をもたらします.
治療においては、核酸の産生を抑える薬剤や腎臓からの尿酸排泄を促す薬剤等を使用します.しかし核酸を多く含む食品に偏った摂取や肥満等がその原因になることが多々あり、この病態の改善においても生活習慣の改善は非常に重要です.
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まだ記載途中の記事にはなりますが、今後知見をアップデートしながら加筆改訂して参ります.
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