高血圧症
高血圧症
転んで手足を擦りむいたり、カッター操作を誤って手を切ってしまったり、、、そういった経験で創部から出血することは、恐らく皆さん(極度に過保護に育っていない限りは)経験されたことがあると思います.そういった経験を通じて「相当浅い傷でない限り、(髪の毛や爪などを除けば)体の一部を切ったり擦りむいたりすれば出血する」ということを理解されていると思います.
人間は数十兆個の細胞で構成される生命体であり、それぞれの細胞に役割があります.それを果たすためにはそれぞれの細胞では栄養や酸素などを必要とします.そのため人間(動物)は、食事をして栄養分を摂り、呼吸をして酸素を体内に取り込みます(そしてその後の代謝産物を排泄・排出します).
しかしそれらを体内に取り込むだけでは不十分であり、得たものを体内の津々浦々まで供給する必要があります.その供給機構が「心臓と血管で構成される循環器系」になります.
血液は体中に張り巡らされた血管の中を流れていきますが、その血液の流れが血管の壁に与える圧力が「血圧」です.血液を多く流そうとすれば血圧は上がり、狭い血管に血液を流そうとしても血圧は上がることは想像に難くないと思います.また、しなやかで弾性のある血管を流れるか、動脈硬化が進んだ血管を流れるかでも状況は変わってきます.
2016年の国民健康・栄養調査によれば、40歳〜74歳の日本人では、男性の60%、女性の41%が高血圧(=収縮期血圧140 mmHg以上または拡張期血圧90 mmHg以上及び降圧薬服用中の場合)と判定されています.今後も日本においては、人口の高齢化に伴って高血圧有病者が増えていくと考えられています.
高血圧が慢性的に持続すると、血管障害をおこし、様々な臓器障害を起こす原因となります.血管の壁に掛かる圧負荷は動脈硬化を進め、血管壁の破綻を来せば出血性の病態に繋がります.
高血圧の原因は大きく二つ「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分けることができます.「本態性高血圧」は、高血圧を引き起こす特定の原因がなく、遺伝や体質、生活習慣や加齢などが関連して血圧が上昇する病態です.
一方、血圧上昇を引き起こす疾患を発症し、その結果高血圧になってしまうのが「二次性高血圧」です.
高血圧症の9割が「本態性高血圧」、残り1割が「二次性高血圧」と言われています.当然両者では病態も治療法も異なるため、まずどちらの病態なのかを的確に判断し、妥当性のある治療を考えていく必要があります.
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まだ記載途中の記事にはなりますが、今後知見をアップデートしながら加筆改訂して参ります.
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